東京大学大学院数理科学研究科数学科の齊藤宣一様より、ご依頼をいただきました。
国立研究開発法人 科学技術振興機構・さきがけ・AIMaPがが2020年2月に開催した「数学パワーが世界を変える」にて、最先端の研究をされる数学者の方々の研究内容をTSUBUとともに、グラフィックレコーディングをした際に、グラフィックにご興味を持って頂き、今回のご依頼に繋がりました。
今回は、東京大学大学院数理科学研究科 付属数理科学連携基盤センターにて、オンラインで開催されたイベント「数理・人工知能・医学:数理科学と医学との協働」にて、発表された研究内容とパネルディスカッションをイラスト化しました。
数学と医学の異なる専門領域をもつ研究者や、数学のアプローチをサービスの源泉とされる企業を経営される数学者の方、5名の方々が登壇され、産業や専門の壁を超えて、どのように人間の身体に対する理解を細やかに、深くされてきたのか、それぞれのストーリーが語られました。
私は、高校の時点(いや、中学か)で、数学と仲良くすることに挫折してしまった苦い記憶のあるひとりです。面白そうに、は見える数学という森の中に、どこから入ればいいかすらもわからず、結局、公式を覚えればいいのかという甘い考えで、見事に入り口を間違え迷路に入りこみ、苦手意識をもつようになりました。
そんな私でも、今回、イラスト化するにあたり、登壇者の方々が和やかに事前ヒアリングにご協力頂いたおかげ様で、無事に終えることができました。
仕事を終える頃には、解くという立場では親しくなれなかった数学でしたが、学問それ自体、また携わる方々に親しみを抱くまでになりました。
私のような素人に対しても、物腰柔らかに、饒舌に熱中された取り組みを伝えてくださる登壇者の方々から、数学が"知りたい"、”解明したい”という普遍的な知的欲求を駆り立てる魅力的な学問であることが伝わって来ました。
そして、また、最先端の研究に取り組まれる方々でも、今なお探求の手足を止めず、問いと向き合われていることから、「世界にはまだまだわからないことがある」という事実は、つまり可能性であるという希望と探究心を受け取りました。
前回の私がお話した数学者の方々からは、「もっと数学は社会の役に立つ」「数学の魅力をもっと知ってほしい」という願いを感じます。
実際、今回登壇された大田佳宏様の経営されるArithmer株式会社の眩しいほどのご躍進は、数学を起点とした最先端のサービスが、これからの世界を強力にサポートし形づくっていくことを感じました。
数学に苦手意識のある方、あらためて数学の世界を覗かれてみませんか?
数理・人工知能・医学:数理科学と医学との協働